新交響楽団 維持会に関するちょっとマジメなお話(その2)

松下 俊行(フルート)

🔷最初に超マジメなお話を

 維持会員の皆さまこんにちは。前回に引き続き新交響楽団維持会に関する駄文・長文を連ねて参ります。よろしくお付き合いのほどお願い申しあげます。
 が、最初に標題とは異なる非常にマジメなお話を致します。それは維持会費の値上げに関する件です。誠に心苦しいのですが、本年7月の演奏会終了以降の会費を現行の10,000円から15,000円に改定させて戴く事と致しました。
 理由・・・・ この時期とあれば「諸物価高騰の折り」とひと言で片付けても本来良いのかもしれません。例えば維持会として直接の要因となり得る郵送料は上がっています。前号でお伝えした、新響の活動全体にかかる諸経費も確実に高騰しており、これは急速に苦しい財政状況に直結しています。維持会会費について言えば、現行の10,000円に改定されたのは1993年4月(それ以前は8,000円でした)。以来33年の長期に亘り据え置かれていた現実には、改めて驚きを禁じ得ません。かつて鶏卵の価格は、技術革新や生産者の努力によって極めて変動が少なく「卵は物価の優等生」と長く言われていました。新響維持会の会費はそれに勝るとも劣らず、価格据え置きを実現してきたという訳です。その卵も優等生の座をとうに降り、昨年来話題独占のコメ共々その他値上げラッシュの食料品のひとつに仲間入りをしてしまいました。えっ?「コメや卵とワシが払っている会費を一緒にするな!」・・・・お怒りごもっともです。維持会マネージャーとしても「コメでさえ値上げするのですから、会費が上がっても仕方ないではありませんか」などと哀願するつもりはございません。これにはもう少し深い事情があるのです。
 そもそもは我々が演奏会のベースとしている東京芸術劇場の改修工事にことは遡ります。この工事に伴い、2025年1年間4回の演奏会は他の会場を巡る開催になりました。この間会員の皆さまからも「池袋以外の遠隔地開催では、演奏会に行けない」とのお声を少なからず戴いています。事実この間の会員の来場数は頭打ちとなる結果を招いています。 さて、昨年1月初旬に行われた演奏会では『ミューザ川崎』シンフォニーホールで開催されましたが、この際従来のS席(3,000円)の上に、SS席(4,000円)が設定されました。これは客席配置の特殊性と、その折の演目『ジークフリート』で、席による歌詞の字幕表示の見やすさ/見にくさの事情から「限定的・時限的」に設定されたものでした。この際会員の方々にはSS席を割り当てています。ところが特定会場限定の適用だったこのSS席の区分はその後も継続されるに至ります。ある意味なし崩し的な流れであり、維持会にもこのSS席を引き続き割り当ててお送りしておりました。考えてみればすごい恩恵を知らずしらずのうちに会員各位享受していた、という訳です。
 その後昨年秋の合同委員会で「SS席の設定は恒久的なものとする」との合意が成立しました。この決定を以っていよいよ維持会費の値上げを検討する段階に入った形です。これまで10,000円で5枚分(3,000×5=15,000円)のS席を入手出来ていました。SS席の出現によって10,000円で20,000円分(4,000円×5)の入手が横滑り的に可能となる・・・・ 流石にこれはSS席を正貨で購入する方々との公平性は保てないとの認識により、15,000円という値を決定したという次第です。
 世の中にはその時々の特殊な事情や条件下でこそ通じる理念などによって設定されたはずの制度が、継続される間に前提条件が忘れ去られ、その後の状況変化に関わらず既成事実化した挙句「なぜ実情に合わぬこんなものが今の世の中に生き残っているのか?」と考えさせられる例が沢山あります。今回の件はそうしたものとは異なりますが、ここに経緯を記録しておく事と致しました。33年振りの価格改定につき、会員各位のご高察とご宥恕をお願い申し上げます。

🔷前号記事の反響について

 さて、前号でオーケストラの活動に関わるおカネやそれをどのように賄っているか?についてのお話を、新響維持会の成立ちと絡めて書きましたところ望外の反響を戴きました。これまで心血を注いで(?)書いて来た数々の文章の中でもほぼ初めての経験です。私見ですが世の中に数多あるトラブルの大部分は①カネ ②異性関係 ③その両方の入り混じったもの・・・・・ やはりおカネに関わる記事には関心が向くのだな、と半ば冗談ですが認識を新たにしました。もちろん関心は、それに続く新響自体の歴史だったり背景となる社会情勢の変化だったりと多岐に亘っており、そうした様々なご感想を戴いています。ご精読戴いた事には感謝しかありません。
 感謝の対象はもうひとつあって、それは会員の方々から維持会制度の成立ちについての様々な情報提供があった事です。発足に関する当時の貴重な資料のコピーもご提供戴きました。現在では新響団内でもアーカイブスが設立されており、過去の文献資料や音源などの整備は進み共有されつつあります。が、こと維持会に関する資料の蒐集は進捗しては居りません。そうした事情あってこそ前回そうした情報を呼びかけた訳ですが、確実な収穫があり、1975年に新交響楽団維持会制度が独立して発足した事実が、資料の裏付けにより明らかになりました。「独立して発足」というのは、それ以前に前身となる「登録会員制度」が既にあり、少なくとも前年1974年一年間はそのふたつの制度が併存したと思われる為で、それらが維持会に一本化されたのが1975年という意味です。
 前号で書いた通り、新交響楽団が東京労音から独立したのが1966年4月。財政的にも独自の基盤形成を余儀なくされた訳で、この時点から「ひも付きではない」何らかの外部支援を模索が始まったであろうことが想像され、維持会制度発足に短絡して考えた次第ですが、実際に維持会が制度として動き出すまでには10年近い時間が経過しています。前身である?「登録会員制度」の開始時期などが気になりますが、これは現時点で未だ不明です。この情報については更に深耕していきたいと思います。情報や資料をお寄せ戴いた方々にはこの場を借りて改めて御礼申し上げます。有難うございました。

🔷新響の会計制度から見えること

 ご期待もあるようなので、新響とおカネにまつわるお話をもう少し続けたいと思います。
 前号の最後の方に新響の会計は「一般会計」「演奏会会計」「維持会会計」の3つに分かれていると書きました。これは簡単に言えば「財源と使途」によって区分されているという事です。以下にそれぞれの区分と、そこから見えてくる新響という団体の性格と内情とを述べてみたいと思います。

その1:一般会計

 一般会計の主な財源は現在100名ほど在籍している各団員が月々支払う「団費」と新たに一員となったメンバーが支払う「入団金」です。徴収されたおカネは、例えば事務所の賃貸料や通信費または各委員会開催会場の費用など、一般には「固定費」に該当する支出に充てられるとお考え戴ければ当たらずといえども遠からず、です。
 団費の支払方法も現在では所定口座への振込みに切り替わっていますが、かつては現金徴収。練習の折に団員個々の集金用封筒(これを「月謝袋」と呼んでいました。実際何月分まで支払ったか徴収係の確認印が捺してあった)に所定の団費を入れ、専用の大袋で回収していました。これを毎週の練習後に担当者が逐一確認し、翌月になって前月の滞納が判明すると1ヶ月につき100円のペナルティが課せられたと記憶します。そのペナルティを含めた支払うべき金額が、次月の封筒に記載される形。当時は120名を超える団員数。大変な労力だったと思います。
 いつの時代も滞納常習者の種は尽きず、上記のペナルティの計算さえも大変だという団員はいましたし、これは振込みに替わっても(ペナルティの制度は廃されていたが)存在していました。後述する演奏会への「参加費」と合わせると10万円単位の滞納額を誇る?猛者も多数。また、滞納金を残したまま退団する不届き者もいて、その場合も金額の請求は当然ながら継続しました。私はこうした退団者からの滞納金回収という汚れ役をしていた暗い過去(笑)があり、年単位の督促と説得を重ねて回収したケースを幾つも経験しています。
 現在は過去の一定期間を超える滞納金がある団員は、次の演奏会への参加を認めないという制度が定められ、こうした団員は絶滅しています。これは一種の差し押さえのようなものですが、独立した財源で活動する団体としては、ことおカネに関する団員間の不公平が生ずることは組織の存続危機にさえつながりかねませんので、この決定は重要でした。演奏会が迫ってくると演奏委員会では次期演奏会のローテーション(出番)を検討・決定する会議が開催されますが、その際必ず財務マネージャーから全団員の支払い状況のデータが上がってきます。ここで規定以上の滞納が判明すると、それが如何なる名手であれ「払うべきものをまずは払え。話はそれからだ」という結果に。また首席奏者が作成した自パートのローテーション案に該当者があれば再考を求められる事態になります。会議の当日に滑り込みで支払いを確認できたという団員はたまに(だが今でも)います。 という次第で、いまや各首席奏者は自パートのメンバーの金銭状況にも管理責任を負う立場にあります。私も首席奏者の端くれとして、自分の支払いを含めて絶えず神経を尖らせているのです。

その2:演奏会会計

 演奏会会計の財源の大部分を占めるのが演奏会ごとに団員が支払う「参加費」(これに公式に外部に対して売り出すチケット、いわゆる「外売り」「当日売り」による収入と、演奏会企画を申請して不定期に得られる助成金が加わります)です。支出としては演奏会のホールの賃貸料や、前号で説明した毎回の練習に使用する会場費、更にそこまでの楽器運搬の費用など、演奏団体としての活動の根幹を支える費用に充てられています。そしてその金額も桁違いに大きい。
 個々の団員は参加費を支払う演奏会への参加の意思を示し、且つその権利を得ます。また自分が独自に売る事の出来るチケットの割当てを受ける形をとります(実際にはもう少し複雑ですが)。参加費と言っても「個人の事情で参加できない ⇒ 休団者」団員も一部は負担します。現在では「産休者・育休者」年金生活者を想定した「65歳以上の団員」などへの配慮も制度化されており、社会の潮流を反映したものになっています。
 一方で団の事情・・・・ 例えば「演奏会の演目に自分のパートが無い ⇒ 降り番」の団員はもちろん免除(参加しようがありませんので)。演奏会にかける選曲に当たっては出来るだけこうした偏りが生じないような検討が重ねられますが、例えば指揮者からの強い意向その他の事情により降り番の発生を余儀なくされる事態は、常に想定しておかねばならないという事です。
 さて、全団員に一定数のチケットを割当て「さぁこれをそれぞれ売って来て。あなたのノルマはこれね」という方法を採用している団体はいまでもあるのでは?と想像します。「ノルマ」。あまり良いイメージはありません。事実割り当てられたチケットを捌き切れない場合、残分の代金はその団員自身が負担しなければならないという事態につながります。逆にノルマ分を超えるチケットを捌ければ、余剰分は個人の収入にさえなり得ます。という訳でノルマとはネガティヴなイメージだけではなく、場合によっては団員間に深刻な分断さえ生じかねない現実的なリスクを含むと考えざるを得ません。実際こうした問題は演奏団体に限らず、チケット収入を主な財源とする団体では絶えず起こっていると言えます。
 新響はかつて、といっても30年以上前ですが、当時の事務所所在地の所管税務署から「新交響楽団という団体はどんな団体か?営利団体ではないのか?」との問い合わせを受けた事が何度かありました。その際に団内で改めて協議の上で「新交響楽団は任意団体である」と定義・再確認して現在に続いています。任意団体、すなわち構成員である団員の流動性が高く、活動も公序良俗に反しない限り、何ら干渉される事無く自由に行なえるという性格を優先しているという事です。団体としての長い歴史を持ち、且つ利益と無縁とはいえ3カ月に1回の有料演奏会を継続しているという実情は、一般に定義される任意団体とは少し異なっているようでもあって、税務署の目を引く事もあり得ぬ話ではありません。が、最近はこうした話は聞かず、団内で取沙汰される事も無くなっています(もちろんそうした方面から問い合わせがあれば、今も昔も説明に充分な会計記録を全て完備してありますので、懸念の対象にはなりませんが)。
 この税務署の一件も契機となってか、新響でも適用されていたノルマ制度は廃され、事前に参加費を収める形を採用するようになりました。チケットノルマはどうしても「売る」行為に力点が置かれ、それが集まると団体の売り上げ=収入と目される結果になり得るのではないか?と懸念された事がひとつの理由だったと記憶します。前述の通り、こうした事が演奏会の都度定期的に行なわれている実情も、その危惧を助長したであろうとの想像に難くありません。
 更には・・・・ これが最も重要な面と個人的には考えますが・・・・ ノルマ以上のチケットを捌くために、決して適切とは言えぬ売り方を常習化させていた団員も散見される実態がありました。
 チケットを売る事自体は新響団員の三大義務のひとつ。が、例えば現在なら取適法(旧下請法)さえ適用が見込まれそうな、新響の活動とは本来全く無縁な、職業上の優位的立場を背景とした押し付けのような販売行為・・・・これは到底看過できるものではありません。そしてこのような形で売られたチケットの殆どは来場に結びつかない、いわゆる死に券になっていました(これは私が広報マネージャーだった折り、実態調査して確認しました)。この件は公にはなりませんでしたが、チケットの販売数の多寡が、ともすると団内での影響力の強弱にまで波及する結果を生んでいたので、これは明らかな悪影響を新響の運営に及ぼしていたと考えています。
 こうした様々な経緯あって移行した参加費制度。会計上での処理に於いてノルマ制度と扱いは変わらないというのが現状のようです。が、団員のチケットに対する意識は全く異なる筈で、少なくとも現在はかつてのような悪弊に関する情報は、噂ベースを含めて一切気耳にしなくなりました。結構な事です。金額そのものはお安くありませんが、支払いの対価として受け取るチケットを額面通り売れば回収可能ですから、心理的負担の軽減を含めて結構な事と思っています。もちろん引き合いがあればそれ以上のチケットを個人で販売する事も可能で、当然この分も財源に繰入れられます。
 以上の一般会計と演奏会会計は年度ごとに当然予算が組まれ、全団員が構成する総会に於ける承認を得て執行されます。もちろん年度末には維持会会計を含めた決算の会計監査もあり、総会で報告の上、承認を得る過程を経ます。

その3:維持会会計

 最後は維持会会計。これは言うまでもなく会員の方々から戴く「維持会費」が唯一無二の財源です。これによって集められたおカネの使途の具体例は、前号でやや詳しくお伝え致しました。現在会員数が概ね200名(演奏会時の配布プログラムに名簿を掲載)。会費と引換えにお渡しする回数券5枚の有効期限が2年間(演奏会8回分)で、毎回の演奏会におひとりでおいでになったとして5回 ⇒ 1年3カ月後の更新という回転。これを基準に考え大雑把に1年で概ね半数100名前後の方が更新して下さる想定をしています。もちろん新規入会者や一度の演奏会に複数で回数券を使用されるというプラス要因もあります。が、退会者(最近は「高齢」や「死亡」による退会が殊に目立っています)や、更新しないまま期限切れになっている、また連絡先不明で所在が掴めないなどのマイナス要因もあるので双方ならすと、概ね前述の通り全会員の半数100名という線に落ち着きます。会費の値上げによってどのような変化をもたらすか?維持会マネージャーとして現在最も注視している事項である事は論を俟ちません。
 維持会の収入の使途は大型・特殊楽器の購入とそのメンテナンスにかかる費用に限定されており、これを「目的支出」という事は前号でご説明致しました。新響が独立してから暫くは、こうした楽器購入への需要は莫大であり、カネはいくらあっても足りない状態が続いたであろうことは想像できます。事実維持会発足時点で会員数も400名以上と現在の倍を超えていました。が、時の経過と共に楽器整備も進むと買うべき対象も少なくなり、メンテナンスに必要となる金額は、購入に伴う額とは桁違いに少ない。結果として収支のアンバランス ⇒「入超」すなわち俗にいうカネ余り状態となり、このおカネをどう使うか?に腐心していた時代がありました。いまでは信じがたい事ですが(笑)。 蓄積した会費を会員の方々還元するかの試行錯誤の結果として、ご記憶ある方もおいででしょう、ある時期まで新響の演奏会録音のCDを希望者に頒布していました。2枚組CD1セットにつき回数券1枚で引換えという制度です。これは会員向けサービスとして好評を得ていました。しかしながら本来このCDは団員の「研究(反省)」の為に団内限定で制作されていたという事情に加え、時を経て権利関係の煩雑さが増し、更には我々が管理しきれない外部流出リスクが高まった事で、やむなく中止と致しました。
 そこで代わる案として、大規模な演奏会企画を行うに当たり、維持会会計より一定額を演奏会会計に補填して活用するという事が改めて見直され、活発化しました。昨年の「芥川也寸志生誕100年」そして本年は「新響創立70周年」と記念イヤーが連続して、一連の企画演奏会は現在も進行中ですが、維持会あってこそ初めて実現している演奏会が多々ある状況です。
 但し、1回あたりの支出金額をある程度の規模にしないと効果が無いので油断すると維持会会計の収支バランスに於いて明らかな「出超」をもたらします。カネをかければそれだけご立派な企画が実現するのは自明とはいえ、「あれもこれも」と出費を重ねれば、維持会という米櫃もあっという間に底が見えてしまう事は必至。現実にここ2年ほどで維持会口座の残高はこれまでに例を見ぬほどに急減しています。
 私個人が最も恐れているのは災害その他の事情によって、団所有の楽器の一部若しくはすべてが使用不能の状態に陥ってしまう事態の発生です。いざ楽器の再調達というその時になっておカネがありません、では済まされない。維持会の金庫番としてはこうした事を常に想定して一定以上のおカネを備蓄しておく必要を意識せざるを得ません。実は昨年末、事故によって団所有のコントラバス1台が使用不能の状態になりました。修理しても元の状態に戻るか疑わしい、との判定が出て新調する事に。代わりの楽器を物色中ですが団の財産として永続的な使用にたえるものともなれば100万円単位の出費は必至。考えたくはありませんが、それでもやはり事故は現実に起こり、ひとたび起これば多額の支出につながりかねないのです。
 「保険をかければいいじゃないか!」これは当然の発想で、事実過去に何度も検討の俎上にあがっています。が、こと楽器というシロモノは価値の査定そのものが難しく、それと同じものを買い直すための値段(これを再調達価額といいます)を評価し、更にはその保管場所の条件を加味した上で保険料を算出する事はなかなかに困難で、強いて算定した結果の金額もバカになりません。保険をかける案は実現に至っていません。
 こうした背景と経緯の下で、維持会マネージャーの立場として一定の財源確保策をあれこれ思案した末に、維持会会計から演奏会会計への補填については「何年間でいくらまで」と期間と金額を決め、その範囲内での実施を提案。昨秋の合同委員会での承認を得ました。維持会会計に於いてこうした「バランス感覚」が求められるようになったという現実は見過ごせませんし、今後も重要性は増す一方と考えます。

🔷新響に於ける維持会の位置づけ

 さて、新響の活動に於いていまやこれほどの貢献をなしている新交響楽団維持会がどのような位置づけをされているか?ご興味の有無にかかわらず以下に記して参ります。
 新交響楽団の規約に定められる維持会に関する規定は以下のようなものです。

第6章 顧問、団友、維持会
第13条[顧問、団友、賛助会員、維持会員]

  1. 団の目的にかなうと合同委員会が認めた場合には、団は、顧問、団友、賛助会員、維持会等を置くことができる。
  2. 前項に関する各項目については、別に定める。

 「えっ!これだけ?」とは私も思いますが、実際これだけなのです。ここに挙げられている顧問も団友も賛助会員も実在しない中で(つまりはほぼ死文化している)、ひとり維持会員のみが前述の200名もの規模を誇り、財政的基盤に於いて重要な役割を担う団体を構成しているという事になります。また第2項にある「別に定める」も空文化。維持会に関して何ら定めたものはありません。維持会発足から半世紀の間、この条項は注目される事もなく、完全に放置されたままで、改めて考えてみると不思議です。そしてこの実態は今や不思議だけでは済まなくなっているのでした。

(以下次号完結)

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